どこからセクハラ?事例による具体例を用いた線引きの例

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セクハラの意味

セクシュアルハラスメント(セクハラ)とは、性的嫌がらせのことです。しかし、一般的なセクハラの認識と法律の認識は異なります
法律では、客観的な事実を基本に判断されるため、セクハラ被害者の感情は考慮されないのです。
セクハラを受けたことにより、精神疾患(精神障害)を発症したり、職場での仕事がスムーズにいかなくなったりといった、第三者的事実がある場合に法律が適用されます。
一般的なセクハラに該当しても、それを直接罰する法律がないのが現状です。

セクシュアルハラスメント(セクハラ)とは

職場において、性的な冗談やからかい、食事やデートへの執拗な誘い、身体への不必要な接触など、 意に反する性的な言動が行われ、拒否したことで不利益を受けたり、職場の環境が不快なものとなることをいいます。
職場でつらい思い – 厚生労働省より引用

性的な言動だけでなく、接触やデートへの誘いもセクハラとみなされます。本人がどう思うかではなく、職場が基準となり考えられます。
個人での問題は事業主は関与せず、職場環境が悪化するためハラスメントを禁止しているのが厚生労働省の考えのようです。

セクハラの歴史

 1989(平成元)年、セクハラ(性的嫌がらせ)を理由とした国内初の 民事裁判が起こされました。また、この年「セクシュアル・ハラスメント」という言葉が新語・流行語大賞の新語部門金賞を受賞することになり、以後、セクハラという概念を広めるひとつのきっかけになりました。
男女雇用機会均等法が1997(平成9)年に改正され、社員の募集、採用、昇進などで女性差別を禁止するとともに、女性 に対するセクハラ規定が整備されました。
セクシュアル・ハラスメント – 法務省より引用

セクハラという言葉が使われ始めてから30年、男女の雇用機会を平等にするという観点から法整備が進められてきました。

職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置(男女雇用機会均等法第11条)

事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、 当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じな ければならない。
第11条1 1.男女雇用機会均等確保対策の推進 (1)男女雇用機会均等法より引用

セクハラとは、男女雇用機会均等法第11条により性的な言動により就業環境を害すること、と定められています。事業主は、防止措置を講じることが義務付けられています。

どこからセクハラ

男女雇用機会均等法では
職場において、労働者の意に反する性的な言動が行われ
– それを拒否したことで解雇、降格、 減給などの不利益を受けること
– 職場の環境が不快なものとなったため、 労働者が就業する上で見過ごすことが できない程度の支障が生じること

職場でつらい思い – 厚生労働省より引用

が「職場におけるセクシャルハラスメント」です。職場以外のハラスメントに関しては、個人の問題となり、会社への相談ではなく警察や弁護士への相談が適切となります。
個人での問題は、セクハラかどうかではなく、強制わいせつ、軽犯罪法、迷惑防止条例違反かどうかで判断されます。

職場とは

  • ふだん働いている場所で…
  • 出張先で…
  • 取引先の事務所で…
  • 顧客の自宅で…
  • 取材先で…
  • 業務で使用する車中で…
  • アフターファイブの宴会も(業務の延長と考えられるもの)…

職場でつらい思い – 厚生労働省より引用

職場とは、会社の中だけでなく、業務に関係する仕事であればどこでも職場となり得ます。飲み会や宴会も、取引先との会合などは職場でのセクハラとなる可能性があります。

セクハラの具体例

対価型セクシュアルハラスメント

対価型のセクハラとは、性的な言動などを拒否したことで不利益を受けることが該当します。

事例1

出張中の車内で、上司が女性の部下の腰や胸にさわったが、抵抗されたため、その部下に不利益な配置転換をした。
職場でつらい思い – 厚生労働省より引用

さわったこと自体がセクハラになるのではなく、断ったことで不利益な配置転換をしたことが、セクハラとなります。
さわったことに関しては、強引に行った場合は強制わいせつ罪、こっそり油断をついて行ったような場合は軽犯罪法か迷惑防止条例違反ということになります。

事例2

事務所内で、社長が日頃から社員の性的な話題を公然と発言していたが、抗議されたため、その社員を解雇した。
職場でつらい思い – 厚生労働省より引用

こちらの事例でも、性的な発言をしていたことがセクハラに当たるのではなく、抗議した社員を解雇したことがセクハラとなります。
もちろん、性的な言動そのものもセクハラに該当する案件ですが、男女雇用機会均等法では、就業できない程の支障が生じないとセクハラに該当しないようです。
セクハラを禁止する法律自体はなく、男女雇用機会均等法は事業主がセクハラが職場で発生しないように求める規定となります。

環境型セクシュアルハラスメント

環境型のセクハラとは、職場の環境が深いとなり、就業に支障が生じることが該当します。

事例1

勤務先の廊下やエレベーター内などで、上司が女性の部下の腰などにたびたびさわるので、部下が苦痛に感じて、 就業意欲が低下している。
職場でつらい思い – 厚生労働省より引用

前途の事例1と似た状況ですが、今回の事例では拒否することができず、苦痛に感じています。
さわったこと自体がセクハラになるのではなく、就業意欲が低下していることがセクハラにより生じたと解釈されます。

繰り返しとなりますが、さわったことに関しては、強引に行った場合は強制わいせつ罪、こっそり油断をついて行ったような場合は軽犯罪法か迷惑防止条例違反ということになります。

事例2

同僚が社内や取引先などに対して性的な内容の噂を流し たため、仕事が手につかない。
職場でつらい思い – 厚生労働省より引用

前途の事例2と似た状況ですが、今回の事例では流された噂のせいで仕事が手につかなくなってなっています。
噂を流したことがセクハラになるのではなく、仕事が手につかないことがセクハラにより生じたと解釈されます。


言葉によるセクハラに該当する事例

恋人はいるの?

そろそろ歳だね

子どもはいつ生まれるの?

妊娠するなら忙しい時期を避けるべき

セクハラに該当しない事例(業務上必要とされる)

妊婦に対して配慮する場合

長時間労働は負担になるから業務分担の見直しをしようか?

身体の配慮をして労働時間の削減を提案することはセクハラには該当しません。妊娠そのものを業務と関係のない話をするのはアウトですが、業務に関係のある話題であればハラスメントには該当しません

負担が大きいから楽な業務にかえようか?

前の事例と同様、ハラスメントには該当しません。
もし、妊娠した女性が妊婦でも「バリバリ仕事をしたい」と考えていて、人権侵害だと感じたとしても、業務上必要な配慮とされ、ハラスメントには該当しません

つわりがつらそうだから、少し休んだら?

業務に差支えがありそうだと判断した場合、労働者の体調に配慮をするのは業務に必要とされます。前例と同様に、「仕事をしたいのに休まされた」と考えていたとしても、ハラスメントには該当しません。

女性にお茶出しやコピーを依頼

よく、女性社員のみにお茶出しやコピーを依頼するおじさん社員がいます。これは、セクハラに該当する可能性もありますが、該当しないケースが多いようです。
「女性だから依頼したのではない」と言われてしまうとそれまでです。
しかし、セクハラに密接する問題であり、グレーゾーンであることは認識しておきましょう。

体調を気遣うこと

体調を気遣うこと自体はセクハラには該当しません。しかし、女性社員にのみそのような質問ばかりをしているとセクハラに該当する可能性もあるでしょう。逆に、男性には体調を配慮しない、という点からもセクハラに該当するでしょう。
しかし、一般的に体調を配慮すること自体は良い行動とされており、セクハラとならないケースが多いようです。

一人暮らしの部下をタクシーで自宅まで送る

タクシーで送ること自体は問題ないでしょう。しかし、それが異性で一人暮らしとなると問題となることもありますね。このようなケースの場合、タクシーに乗る前や乗車中の発言がセクハラとなることが多いです。
上がり込もうとすれば、セクハラではなく住居侵入罪になりますね笑
もちろん、同意があれば問題ないとされますので、難しい問題ですね。

セクハラ意識チェックリスト

  • 可愛い子にはラクな仕事を担当させたいと思う
  • 女性の身体的特徴を話題にする
  • 食事やデートにしつこく誘う
  • 私生活上の秘密等を暴露したり話題にする
  • 職場でも性的な話題も時には必要だと思う
  • 短いスカートや胸元が開いたブラウスはセクハラの原因だと思う
  • 性的な冗談は女性も喜んでいると思う
  • 宴会でのハダカ踊りは誰が見ても楽しいと思う
  • お酒のお酌やカラオケでのデュエットを執ように誘う
  • 女性の身体をじっと眺める
  • 体調の悪そうな女性に「生理日か」などと言う
  • 女性の肩に手を触れるのはスキンシップである
  • 雑誌のヌード写真を他人の前で見せることがある

    セクシュアル・ハラスメント – 法務省より引用

チェックが1つでもついた人は、セクハラに対する認識が甘いです。特に、セクハラを受ける人にも原因があるとの考え方は、よりよい職場環境を作るうえで意識を改める必要があるでしょう。